室内環境測定を実施しました
先日、弊社で施工した築8年の住宅で室内環境測定を実施しました。
測定方法については、シックハウス症候群の原因となる有害な化学物質が空気中に含まれていないかを確認するため、部屋に設置した機材で室内の空気中の揮発性有機化合物(VOCs)を収集し、収集した総揮発性有機化合物(TVOC)を専門機関にて分析するという形で実施しました。
厚生労働省では室内空気質のTVOC暫定目標値を 400μg/m³ としています。
それに対し、今回測定した住宅でのTVOC値は230μg/m³で、目標値を大きく下回る結果となりました。
人への影響があるとされている物質についても表1にある通り、指針値を大きく下回っており、有害物質が非常に少ない家であるという結果が得られました。
No | 対象 | 結果*1 | 指針値*2 | 主な使用場所・発生源等 | 人への影響 |
1 | トルエン | 20μg/m³未満 | 260μg/m³ | シンナー、塗料、接着剤、ラッカー | 神経行動機能・生殖機能低下 |
2 | キシレン | 20μg/m³未満 | 200μg/m³ | 塗料、芳香剤、接着剤、油性ペイント | 新生児の中枢神経発達への悪影響 |
3 | エチルベンゼン | 300μg/m³未満 | 3800μg/m³ | 塗料、接着剤 | 肝臓・腎臓機能低下 |
4 | スチレン | 20μg/m³未満 | 220μg/m³ | 断熱材、畳、接着剤、発泡スチロール | 脳・肝臓機能低下アレルギー症状増大 |
5 | パラジクロロベンゼン | 20μg/m³未満 | 240μg/m³ | 防虫剤、防臭剤 | アレルギー症状増大 |
6 | テトラデカン | 30μg/m³未満 | 330μg/m³ | 灯油、塗料 | 肝臓機能低下 |
*1 いずれも専門機関が定めた下限値を下回っている
*2 室内濃度指針値…毒性に係る科学的知見から、人がその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、
健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を算出したもの
また、表2にあるように検出された物質の大部分を占めるα-ピネンやD-リモネンについては、マツ、ヒノキ、スギなど木材由来の成分であり、空気中にシックハウス症候群の原因となるような有害物質がほとんど含まれていないことが分かります。
表2 室内から検出された物質
そもそもシックハウス症候群とは住居において化学物質等による室内空気汚染が生じ、それによって起こる様々な健康障害(皮膚、目、のどなどの皮膚・粘膜刺激症状と頭痛、めまい、吐き気等の精神・神経症状)の総称です。
省エネなどの観点で建物の気密性が高くなったことや、コスト削減のために化学物質を放散する安い建材や内装材が使用されるようになったこと等が原因で室内空気汚染が発生します。
弊社では、内装材、外装材、構造材、断熱材に至るまで、自然素材にこだわった家づくりを行っております。
シックハウス症候群を引き起こす化学物質を放散するものは極力使いません。
住居の健康への影響で気になることがある方、不安がある方はお気軽にご相談ください!