セルロースファイバーのココがすごい! ~防音性~

セルロースファイバーのココがすごい!〜防音性〜|(株)東京ハウスデザイン

前回、新聞紙が原料の断熱材セルロースファイバーの「調湿性」と「防虫性・防カビ性」について書きましたが、自然素材のセルロースファイバーには私たちが生活していくうえで嬉しい性能がまだまだたくさんあります!

そこで、今回は「防音性」についてご紹介いたします!

生活と音

生活するうえで多くの人が気になる「音」の問題。
快適な住まいを実現するためには、考えなければならないことです。

車や電車、飛行機、店舗や工事の音など外の騒音が気になる・・・
音楽鑑賞や楽器演奏、ペットの鳴き声など、住宅街だと近隣に聞こえてしまうのではないか・・・
二世帯住宅で足音や話し声などお互いの生活音が気になる・・・
自宅で仕事や勉強をするので集中できる環境にしたい・・・

ひとつでも気になることがあれば、家を建てるとき、またはリフォームなどで防音についてぜひ検討してみましょう。

騒音が人に与える影響

騒音や生活音は身体の不調や病気の原因になることがあると言われています。

昼間の騒音や生活音が知らないうちにストレスとなり蓄積していくと、夜に静かな環境でも熟睡できずに睡眠不足になってしまったり、高血圧や心疾患との因果関係も指摘されています。

また、騒音は集中力や作業効率の低下にも影響してしまいます。
最近は在宅で仕事をする方も増えていますが、一方で住宅の造り自体が仕事をする環境になっていないことが多いの実情です。

住まいの騒音について以前より気になるようになったという声も聞きますし、テレワークが珍しくなくなった今、家づくりにおいて音環境を整えることは、これまで以上に考えなければならないことなのかもしれません。

一時的な騒音であれば少しの間だけ我慢すればよいかもしれませんが、長期にわたる騒音や生活音を我慢し続けたことにより、知らないうちに心身に不調をきたすことは避けたいものです。

音環境を整えることは、ゆっくりと安らげる場である住まいにはとても大切なことです。

セルロースファイバーのココがすごい!〜防音性〜|(株)東京ハウスデザイン

音の種類

「音」は大きく分けると「空気伝播音」と「固体伝播音」の2種類に区別されます。
(読み方は「でんぱおん」。伝搬音(でんぱんおん)ともいう)

空気伝播音とは空気を伝わる音で、テレビの音や人の話し声がこれにあたります。

固体伝播音とは建物の壁や床に与えられた衝撃による振動が音となって現れるもので、ドアの開閉音や上階の足音がこれにあたります。

セルロースファイバーは両者の音の軽減に有効な断熱材で、特に空気伝播音の防音効果に威力を発揮します。

防音効果があるワケ

音を軽減するためには、振動を抑えることがポイントです。
セルロースファイバーには空気の振動を抑えることができるワケが3つあります。

①振動を吸収する素材そのものの特性
②高い施工密度
③隙間なく隅々まで充填できる施工精度

この3つの特性があることで、高い防音性能が発揮できるのです。

セルロースファイバーのココがすごい!〜防音性〜|(株)東京ハウスデザイン

防音効果の特性①:セルロースファイバーそのもの=素材がすごい!

セルロースファイバーは新聞紙からできている断熱材です。
そして新聞紙は木質繊維からできており、複雑に絡み合う繊維により空気層が作られるだけでなく、繊維1本1本の中にも自然の空気の穴がたくさんあります。

何層にも重なった空気のクッションと、繊維に無数にある空気の穴が振動を吸収し、音を伝えにくくします。

布団の中で大声を出しても聞こえづらいことをイメージしていただくとわかりやすいと思います。

防音効果の特性②:施工密度がすごい!

断熱材の重量が重い=施工密度が高いほど、防音性能は上がります。

セルロースファイバーは細かいばら状の断熱材をギュギュっと圧縮しながら55~60kg/m3という高い密度で壁や床などに充填していきます。

一方、一般的に多く使用されているグラスウールは10~24kg/m3程度ですので、その差は歴然です!

施工密度だけを比べてもセルロースファイバーが優れていることがわかります。

セルロースファイバーのココがすごい!〜防音性〜|(株)東京ハウスデザイン

防音効果の特性③:施工精度がすごい!

ではもっと密度の高い断熱材を使用すればよいのでは!というと、そう単純なことではありません。

いくら性能の良い断熱材を使用しても、施工精度が悪ければその性能はきちんと発揮されません。カタログ上のスペック(性能)を最大限発揮するためには、当然のことではありますが、正しい施工をすることが絶対条件となるのです。

セルロースファイバーは細かい断熱材を隙間なく吹き込んで施工するため、コンセントボックスや配管・配線などの障害物があっても隅々まで充填することができます。

一方、グラスウールは現場で切断しながらはめ込むように施工していくため、障害物の周囲には必ずと言っていいほど隙間ができてしまいます。隙間ができると断熱材本来の性能は半減してしまい、カタログ上では性能が良くても、その数値は意味をなさなくなってしまいます。

セルロースファイバーのココがすごい!〜防音性〜|(株)東京ハウスデザイン

セルロースファイバーの防音性

住まいにおける音環境を整えることは、快適に生活していくうえでとても大切なことです。

セルロースファイバーを外壁や屋根に充填すると、屋外からの騒音や室内からの音の漏れを防ぐことができます。
部屋と部屋の間仕切壁や上階の床下に充填すると、部屋間の生活音を軽減できます。

また、セルロースファイバーを天井裏に積もらせることで、天井裏で共鳴して大きく聞こえていた上階の音が聞こえづらくなります。

静かに過ごしたい書斎や寝室、音響を楽しみたいホームシアター、お互いの生活音が気になる2世帯住宅、他の部屋のテレビの音やトイレ排水などの生活音、住まいの中のさまざまな防音対策としてセルロースファイバーは大変有効です。

まとめ

セルロースファイバーが高い防音性能をもつ断熱材であることが伝わりましたでしょうか。

TH健康住宅株式会社(旧・東京ハウスデザイン)では、セルロースファイバーとグラスウールの防音比較ができる実験ツールがあります。

なかなか文章だけではわかりづらいと思いますので、まずは、動画で聞き比べてみてください。
BOXの中にそれぞれセルロースファイバーとグラスウールを同じ厚みで入れ、防犯ベルの音がどのくらい小さくなるか、実験しています。

セルロースファイバーの方が防犯ベルの音が小さくなっているのがわかると思います。(実際には直接聞いた方がその差がわかりやすいのですが・・・)

 

セルロースファイバーのココがすごい!〜防音性〜|(株)東京ハウスデザイン

本来は断熱することが主な目的の断熱材で、騒音対策もできるなんて!
他にも調湿や防カビ、省エネなどさまざまな付加価値がある断熱材はセルロースファイバーの他にはありません。

せっかくのマイホームで騒音に悩まされることがないよう、断熱材を選ぶ際に防音についても考えていただくきっかけになればよいと思います。

もちろんリフォームでもセルロースファイバーの施工はできます。
住まい全体でも特定のお部屋だけでも施工できますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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